「…い、いきなり抱きしめて悪いっ!」
きょとん、
と、今度は数秒間…いや、数分間固まってしまった。
「な、んかさっ……無事だってわかって安心したらつい…」
な、なんてかわいいだ!君は!
ほんのりと赤く染まった頬が、その気持ちを本当だと表してる。
教室のど真ん中で、こんなことを繰り広げていたわけだから……。
「ヒューヒュー!神崎やるじゃん!よっ!男前!!」
「キャー!神崎くんカッコいい!!」
なんて、当然周りから騒ぎ立てられた。
「うるせぇー!黙れっ!」
神崎くんはそう言い返すものの、真っ赤になった顔では迫力も半減。言いようにからかわれていた。
それを見てあたしは思わず、笑ってしまい。
「結城まで笑うなっつの!」
神崎くんに少し怒られてしまったけど。
その顔も必死で、更に笑えてしまった。

