銀白虎







「ゆ、結城……!?」



自分の名前が呼ばれたから、振り返った。


と、同時にドサッ…って音が聞こえた。




…どうやら、“ドサッ”は鞄を落とした音だったらしい。



そして、鞄を落とした本人は…………固まっている?



「あ、あの……」


大丈夫、かな…。






「結城………生きてたんだなっ!!」




コケッ、と。思わずずっこけたくなった。



どうやら神崎くんの中であたしは、天に召されていたらしい。…相変わらずの天然ぷりだ。




「良かった!!ほんと、良かったぜっ!!」



そのせいなのか、


勢いよく駆け寄ってきて、現在ぎゅうぎゅうと抱き締められて(抱き着かれて)いる。…若干、苦しい。




「もう…俺っ…あのあとから結城帰って来ないし、休んでるし、本当に後悔したんだ…っ!やっぱり俺も居るべきだったって!」