銀白虎







まあ、実際やったのは…………多分、アキオだけれど。



その原因を作ってしまったのは、あたしだ。




あ、そういえば――――あたし、まだ蓮見くんにお礼を言ってなかった気がする…。





蓮見くんの口元の小さな傷痕を、もう一度見つめる。



あれが、大きな証拠だ。




助けてくれたこと、
住まわせてくれたこと。


いっぱい、いっぱい、感謝しなきゃいけない事は沢山で。




今着てるこの制服すら、用意してもらって………。






「……っ、」




駄目だなぁ……あたし。



相変わらず、


自分のこと、ばっかりだ。





「……飛鳥?」


「ううん、なんでもない。」


亜美は急に黙ったあたしを不思議に思ったのだろう。
だから心配を掛けないよう、笑顔を作った。





もっと、もっと。


強くならなきゃいけない。




こんな弱いままじゃ駄目だ。





強く、なりたい……。



ちゃんと、1人でも生きていけるように。