ふと、前座席に顔を向けると、

見たことがない顔の人が、ハンドルを握ってる。


運転手専門なのかな?



するとミラー越しに目が合い、優しく笑って会釈をしてくれた。



意外と若そう……。


こんな人もいたんだ。





なんだか感動していたら、
車は、学校の最寄り駅から1つ前の駅に止まった。




ん?ここから歩くのかな?

中途半端な気はするけど、降りる準備をする。






「…何してんだ」


「え?いや、降りる準備を……」


「お前は降りなくていい。このまま学校まで行け」





えええぇ!?


そ、そんな滅相もない!


若を置いて、自分だけ学校まで送ってもらうなんて………畏れ多い!







「いやいやいやいや!あたしも降りるよ!」




はぁ…。と、呆れたようにため息をつく蓮見くん。





な、なんで!?