氷のような冷たさ。

初めて見る、彼の表情。


怖い。

そんな中でも…好奇心なのか。謎に思うことを、無意識に口にしてしまう。


「白虎組って…」


蓮見くんは、一体なんなの…?


白虎組、家構え……もしかして……。



彼は、眉を寄せる。

そんな姿さえ、様になっている気がした。


顎に、ひやりとした感覚が伝う。



それは流れるような一瞬の出来事。


気付いたら、そのひやりとした感覚は唇から伝わってきた。

ハッとして目の前には、整った顔立ち。そして、銀色が見えた。


だんだん息苦しくなってきて……呼吸が出来ない!

「…んん!」


胸板をどんどんと叩いても、離れてはくれない。


口の中に変な感覚が広がって……足がガクガクとした。



逃げるにも、背中を壁に頭を手で抑えられ、逃げることさえできない。


自然と涙が込み上げてきた。



嫌…嫌…嫌…っ!!



パッと離れると、体が崩れ落ちた。