頭がぼーっとして、
ただ、唯一今まで忘れていたことに、後悔していた。
……いや、もしかしたら、あたしの中の何かが覚えていることを拒否したのかもしれない………
でも、思い出した……!
ごめんなさい。お母さん、お父さん…………
もう、もう、
絶対に忘れないから…―――――
「………許…さ、ない……」
「…結城、落ち着けっ!」
あいつを、
あいつを、
絶対に…………
「……、殺してやる……っ!!」
狂ったように叫んだ瞬間、
蓮見くんは痛いくらいにあたしを、
更に強く抱きしめた。
いや、抑えつけたんだと思う。
暴れるあたしを――…。

