銀白虎





死んでしまったの……?



それすらわからない程、ピクリとも動かない……。




「…………っ、」



………声が出ない。


こんな光景、みたこともない…。



まるで、戦場だ。





ひやっと、冷たい感触がした。





「……っ!!」



あたしはものすごい勢いで、振り返った。





「…あ、すんません。驚かせちまいましたか?」



厳つい顔に似合わない申し訳なさそうな瞳。そして、モヒカン。





「…………クラさん」




ほっと、心の底から安心した。





“敵”じゃなくてよかった……。




安心したからなのか、じわじわと痺れていく指先。





「…結城さん?」




あたしの顔を覗き込むクラさんに、



「…どうしてここに?」



と尋ねると、



「若の指示っす…」




そう、返ってくる。