銀白虎






あたしの助けに?


まさかね。

それはありえないよ…。



そんな都合のいい話なんてない……。




でも。



見ていなきゃ、いけない気がした…。



恐いけど……すごく恐くて、震えているけど。




あたしはこのまま目を閉じていたら、一生後悔する、と思った。







「……………」



目を開けた世界は、まるでさっきとは別世界のようで、言葉を失った。




いつの間にか、たくさんの人が集まっていて…。



敵なのか、味方なのか。



ぐちゃぐちゃと混ざり合い。



あっちこっちから、殴る音鉄パイプ独特の鈍い響きやうめき声が聞こえては、

人が地面に倒れ、赤い液体が流れていく。






バタッ!



その音に肩を震わせると、あたしからほんの数メートルのところで人が倒れていた。