……ああ、この状況。


前にも、あった気がする…。





「結城、飛鳥さん。

前に言ったこと、忘れてしまったかしら?」



そう言いながら、にっこりと笑うのは、

蓮見冬弥ファンクラブ会長の、麻野美和先輩。



相変わらず、お綺麗で……笑顔が恐いです…。



「…ええっと、その…」


「美和、やっぱりあの時にブラックリストに入れておくべきだったのよ」


副会長の玉置真紀先輩は、はあ…と哀愁漂う溜め息をつく。



「…そうね。でもまずは真偽を確かめなくては」


「そうよ、それが先決だわ」


この学校で1番美人だと言われてる、書記の野々村愛果先輩が言う。




「……結城飛鳥さん。」


「は、はいっ…」


「あなたと、王子が昨日、放課後2人で裏門へ行く姿を目撃した、という人がいるんだけど」