銀白虎





……だけど。


想像していた顔とは、違った。


ただ無表情に、冷たい瞳をしているだけで…。






「……そうだな…」


ぼそっと。

石ころが落ちるような呟きと一緒に、

なにもかも、諦めたような自嘲の笑い。



深い、悲しみを含んでいた……。






ズキズキと。

胸が針で刺されているように、痛くて。

のどの奥が苦い。

べったりと何か張り付いて…

とにかく……苦しい。





…あたしはなんてことをしてしまったのだろう。


言っては、いけない言葉だった……。



今更、激しい後悔に襲われた。……本当に、今更だったけれど…。



まだ、怒られた方がずいぶんとマシだった……。


さっきの言葉をもう一度頭の中で思い出す…。




『だから……ヤクザなんて…』






これは、彼の総てを否定する言葉だった気がする……。