銀白虎





やばい、やばい、

亜美絶対怒ってるよー!



歩きから、早歩き、そして小走りへと変わっていく。


かれこれ30分は待たせてしまったんではないだろうか。



亜美、ごめんね!


急いで、教室に向かう。




「あははっ」


だけど、教室の近くになると笑い声が聞こえた。


しかもこれ、亜美の笑い声だ…。



誰かと一緒なのかな?


そう思って、教室のドアから覗こうかなと思った瞬間。




「あははっ、蓮見くん面白~い!」




ピタッと、足が止まってしまった。








「そんなに笑わないでよ」

「だって~。蓮見くんって意外と天然なんだね!」




教室から聞こえてくる楽しそうな、笑い声。


容易く想像出来る、亜美の笑顔。