きっともう、全部に諦めているんだ――…








ポンポン。


びくりと肩が上がり、後ろを恐る恐る振り返った。



「結城さん、ちょっといいかな?」


そう言って小首を傾げる仕草がかわいい。


亜美……ではなかった。


珍しすぎて、名前が一瞬わからなかった。



「…結城さん?」


「…えっ?あ、うん」


同じクラスの白石梨華だった。




白石さんがなんの用だろうか?

不思議に思いながらも、付いていった。





予想外に連れて来られたのは、屋上だった。



こんなとこに呼び出される心当たりは皆無だ。



一体なんなんだろう…。




「こんなとこについてきてもらっちゃってごめんね。だけど、どうしても聞きたいことがあって」



聞きたいこと…?