くぅーん、と鳴いてしゅんとしながら、足元から離れた。
あたしが帰るのをそんなに寂しがってくれて、ちょっと嬉しかった。
「…お邪魔しました…」
蓮見くんはやっぱりこっちを見ない。
クラさんは、顔と身体に似合わずとてもおろおろしていた。
もう、ここに来ることは今度こそ、ないだろう…。
「あっれ~?なんでこんなとこに女子高生が!?やばぁ!まぢ、生女子高生だあ!!」
だきっ。
「きゃぁぁぁぁあ!」
「うわーっ!」
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─────…
「タケ、お前セクハラで突き出すぞ」
「いって~。えー、どっちかっていうと被害者じゃない?」
「…す、すいません!」
「自業自得だろ、アホが」
さっき知らない人にいきなり抱き着かれ、思わず背負い投げをかましてしまった。
一応体育は、いつも5なのだ。

