わかりました…。とかなり落ち込んで、大きな身体を縮こまらせるクラさんは、なんだか見てて可哀想になった。
でも、クラさんのが明らか年上なのに、蓮見くんの方が偉そうなのはなんでだろう。
「…で、お前もなんで大人しくついて来てんだよ?」
クラさんに、向いていた顔があたしの方を向く。
いや、凄い力で引っ張られて、気付いたらここにいました…。
とは、不機嫌な蓮見くん言えそうな雰囲気ではない。
黙っていると、蓮見くんのチッと舌打ちが聞こえた。
家では、完全なブラック蓮見らしい。そして、学校より更にパワーアップするらしい。
あたしはどうたものか、と考えながらまだ膝の上でくつろぐ虎丸ちゃんを撫でる。
「お前…もう必要ねぇから帰れ」
「…え?」
「もう用は済んだだろ?さっさと帰れよ」
あたしになんて目線も寄越さず、低い声で言う。