「ごめんね、通してくれるかな?」


にこやかな笑顔を振り撒く…エセ王子様。




王子は、王子様の格好をして、本物の王子様になっていた。



…悔しいが、確かに似合う。



彼の周りだけ、キラキラキラキラと輝いて見える。…更に。




「…なんであいつはカツラがねぇんだ…」


いつのまにか隣で、神崎くんがぼそっと呟く。


いや、それは王子様ですから。

逆にカツラがある方がどうかと…。





「あれ、結城もカッコイイと思う?」


「うぇ!?」


そして、そんなことを心の中で思ってる最中に、急に振られてびっくりした。