「待て結城。…本気か?」


神崎くんは手元にあるそれをもう一度一瞥し、手を震わせる。

更に額には、汗がじわりと滲む。



「ええ…本気よ!」


あたしは、凜と言葉を放つ。




「……本当に、ほんとにほんとにほんとうにっ!

これは本気なのかっっ!?」




うわぁぁあ!!と神崎くんはうなだれる。



…気持ちは、わからなくもない。

しかし、ぶっちゃけ見てみたいので、ここは負けられない…。




ぽん。

あたしは神崎くんの肩に手をおいた。


魔女だから、しょうがないんだよ。

そんな気持ちを込めて。



「…これを、着けるのか?」


顔をあげて、複雑そうな顔を浮かべてあたしに尋ねる。



神崎くんは可愛い系だからきっと似合うよ!


…とは口に出さず、そんな想いをこっそり忍ばせ、

あたしはなにも言わず、ゆっくりと頷く。