「…はあ、」


と。憂いを含んだため息を漏らしたのは亜美。


彼女の瞳は、どこか遠くを映している。




主役の白雪姫は、練習やらなんやら引っ張るだこでここんとこずっと練習で忙しくて。
久しぶりに亜美とお弁当を食べているのだが…。


さっきからこんな調子なので、あたしは放置して黙々と食べていた。




「…あたしね、思うの」



やっと、現実世界に少し戻って来たらしく、あたしに言葉を発した。


あたしの存在が近くにあると、まだ覚えていたか。



「なにが?」


なんか変なことを言いそうな気がしたが、一応聞いてみた。