口説いてんの?


「恵理子さん・・・」

「でもね、凪斗君が好きって気持ちは

 本当なの・・・だから・・・

 どうして良いか分からないのよ・・・」

恵理子さんは、ハンカチで目元を押さえ

大きく肩を震わせている。

俊也が薫子の肩にそっと触れて
 
目配せをし、頭を左右に振った。

その目には、一片の情も見えなかった。

「恵理子さん・・・

 キツイ言い方ですけど・・・

 宇佐見君は恵理子さんが

 好きな訳じゃないんですよ?」

「じゃあなんで優しくしてくれたの?

 どうしてメールしてくれたの?

 嫌いだったらしないでしょ?

 少しでも気持ちがあったから・・・」

恵理子さんの震える背中に

真太郎が声をかけた。

「すいません、ちょっといいですか?

 俺、凪斗のダチで真太郎と言います」

真太郎も、感情のこもってない冷めた目を

恵理子さんに向けていた。