口説いてんの?


今日、宇佐見君が来るので

薫子は制服とロッカーの確認

仕事を教える為に

簡単なマニュアルも準備していた。

彼は、アルバイトも初めてで

人前に出るのも苦手らしいので

薫子は少し不安だった。

約束の時間より15分前に彼は店に来た。

履歴書の写真とは違い

眼鏡を掛けていなかったので

俊也も気付かず、名前を言われて頷いた。

「眼鏡は?」

「コンタクトにしました。
 
 眼鏡は怖く見えるって母親が」

「おお、そうか。

 その方が最近の若者らしくて良いな?」

「若者って・・・

 俊也さんも若いじゃないですか?」

「ああ、26だけどな。まぁ頑張って!

 薫子、宇佐見君頼むわぁ!」

俊也の声が聞こえたので

薫子は急いで事務所へ向った。