真太郎が、初めて店に来た時

薫子は店外の看板を片付けていた。

店の入り口から店内を覗いていたので

バイトの女の子を探してると思い尋ねた。

「〇〇ちゃん?呼ぼうか?」

真太郎は答えずに笑い出した。

「あっ、違う子だったぁ。誰かなぁ?」

彼は急に真剣な顔になり

「あなたに会いに来ました」

薫子は笑いを堪えて、丁寧な口調で返した。

「ファンクラブの会員証は持ってますか?」

「持ってませ~ん!」

真太郎はふざけて言い、二人で大爆笑!

ひとしきり笑った後で

「男に会いに来たら駄目ですか?」

「え?もしかしてそっち系?」

「いや、どう見ても違うっしょ?

 面白いお姉さんだなぁ」

「みんなに言われる」

不思議な事に、短時間で打ち解けていた。