春休み最後の日曜日に歓送迎会を開いて

二次会のカラオケには6人が来ていた。

薫子達と、パートで主婦の30代二人。

凪斗の両隣にその二人が座っていた。

年上女恐怖症の凪斗は

赤くなったり青くなったり・・・

恵理子さんとデュエットすると

手を握られて歌えなくなってしまった。

「凪斗ー!恵理子さんは主婦だぞ。

 それでも駄目なのかぁ?」

俊也が言うと、恵理子さんが訊き返した。

「何が駄目なの?」

「宇佐見君、年上の女の人が苦手で

 あたし達とは普通に喋れるんですけど」

留美の答えに、恵理子さんは大きな声で

可愛い~!と言って凪斗に抱きついた。

頬と頬がくっついたので

彼は固まってしまった。