口説いてんの?


2年ぶりのホワイトクリスマスになった。

寒さも半端じゃないけど

みんな浮き足立っているから

こんな日にパンを買いにくる人はいない。

俊也と二人で早い時間から

明日の準備に取り掛かっていたので

閉店時間には殆どの作業は終わっていた。

「薫子は何処か行くのか?」

「え?」

「クリスマスパーティ?」

「あぁ、うん、明日ね。

 今日はみんな彼とデートだから」

また嘘をついてしまった。

本当は凪斗とのクリスマス。

今日は泊まれないから、明日にした。

「ふ~ん」

俊也は溜息混じりの返事をした。

「俊也は?そう言えばさぁ

 ボーリングの彼女ってどうなったの?

 時々会ってたんだよね?」