口説いてんの?


映画を観ることになり

始まるまでの時間潰しに

ウィンドウショッピングをした。

街には、クリスマスのイルミネーションが

飾られていて、とても華やかだった。

だけど、凪斗は受験でそんな事を

考えている余裕はないはず。

だから、薫子はあえて口には出さなかった。

すると、彼が踊るサンタの人形に目を止めて

はしゃいだ声を上げた。

「懐かしい!保育園に置いてあって

 俺より背が高かったのを覚えてます」

「今は、凪斗の方が大きいね?」

「子供の頃は、凄く大きく見えたのに」

凪斗は、サンタと握手をして

薫子を振り返った。

「薫さんクリスマスは?」

「えっ?」

薫子の声は裏返っていた。