口説いてんの?


「何やってるんですかぁ?

 そんな事しなくてもいいですよぉ!」

薫子は、上目遣いで彼の視線を捕らえた。

「初めて触った。

 まだ、決心がつかないからごめんね。

 でも、手なら大丈夫かも」

「何言ってるんですかぁ?

俺、待ちますから!気にしないで下さい!」

彼は、声を抑えていたけど

表情には必死の色が浮かんでいた。

「してあげたい。私のせいなんだよね?

 それが嬉しいから・・・だから・・・ね?」

「薫さんがそう言ってくれるのは

 嬉しいですけど・・・」

彼は躊躇っていたけど

薫子は譲らなかった。

彼が喜んでくれるなら、と思いながら

手に神経を集中させていた。

そして、優しくキスをして

最後に強く抱きしめてくれた。