口説いてんの?


両親の寝室を覗いても誰も居ないので

リビングへ行くと、メモが置いてあった。

< お父さんと食事会に行って来ます >

そう言えば、そんな事を言ってたなぁ。

すっかり忘れてた。

「食事会だって・・・

 もしかして夕ご飯ないかも・・・」

冷蔵庫を開けてみても作りおきもなかった。

「何か作ってあげたいんだけど

 インスタントラーメンくらいしかないよぉ。

 食べる?」

「はい。一緒に作りましょう」

「いいよ、部屋で待ってて」

「一緒にやりたいんです」

薫子が冷蔵庫から野菜を取り出すと

彼が洗ってくれた。

「まな板と包丁下さい」

彼が手際よく刻んでゆく間に

薫子は湯を沸かし、食器の用意をした。