口説いてんの?


俊也に抱きしめられてると

確かに安心出来て孤独感は薄らいだ。

だけど、やっぱり俊也はダチなんだ。

大きな胸で暖かい温もりもあるけど

満たされないしドキドキしない。

歯がゆくて、胸が締め上げられるような

思いなのに諦めきれない。

何一つ始まってもいなかったのに・・・

私は、こんなにも彼が好きだったのかと

思い知らされた。

そんな自分を、薫子自信が呆れたように

眺めている。

「俊也、私どうしたら良いんだろう?」

「俺に訊くなよぉ?」

「ごめん・・・でも、教えてよぉ?

 どうすれば諦められるのぉ?」

「何があったのか訊かせてくれるか?」

薫子は、相手の名前と処女の事は隠した。