仕事にも身が入らないし、体調が悪い。

あれから凪斗は、目を合わそうとしないし

勿論、話もしていない。

だけど、バイトを休む事はしなかった。

そんなある日

恵理子さんが心配そうに話しかけてきた。

さすが凪斗のファンだけあって侮れない。

「最近の凪斗君って、楽しそうにしてるけど

 目が笑ってないというか

 曇ってるというか、なんか違うよね?

 悩みでもあるんじゃないのかなぁ?」

「そうなんですかねぇ・・・

 最近話してないからなぁ」

薫子は、恵理子さんと目を合さずに答えた。

「そうなのぉ、あんなに仲良かったのに。

 喧嘩でもしたの?」

「いえ、そんな事ないですよ。

 また、麻雀にでも誘ってみます。

 お疲れ様でした!」

薫子は小さく笑って

恵理子さんを見送った。