春休みに入り、凪斗も要領を掴んで

薫子がつきっきりで教えなくても

よくなっていた。

凪斗と留美は、バイトが重なる事が多く

閉店を過ぎても厨房で話をしていた。

「二人で楽しそうだね?」

「は~い。でも、仕事もしてますよ~」

留美は、明日の準備の手伝いをしていた。

「ありがと。

 でも、後は俊也とするから帰って良いよ」

凪斗は立っていただけなので

気まずそうに眉を寄せていた。

「すいません。俺、何もしてない」

「えぇなんで謝るの~?

 宇佐見君真面目過ぎ~!」

「そうよ、勤務時間は過ぎてるんだから

 何もしてなくても怒らないから」

「留美、凪斗連れて帰れ!ありがとな!」

俊也の言葉に留美が返事をした。