薫子は、平静を装い部屋に戻った。

凪斗も猫も見あたらないので

テーブルにトレーを置き

部屋の奥へ進み声をかけた。

「凪斗、ご飯食べよう」

「はい、すいません」

薫子の声に反応して

猫はベットから降りて足元に寄ってきた。

「猫も一緒だったの?」

「ええ」

「俊也でも抱かせないのに

 どうしたんだろうねぇ」

「ハハ!猫に好かれちゃいました」

二人で朝御飯を食べていると

凪斗が突然大きな声を出した。

「今日って、月曜日ですよね?

 俺、予備校ー!」

「まだ、間に合う?8:00過ぎてるけど?」

凪斗は携帯を取り出すと

片目を瞑って額に手をあてた。