口説いてんの?


凪斗は、新しい缶ビールを開け

二人のグラスに注ぎ乾杯をした。

彼がそれを口に運んだので

薫子もグラスを持ち上げ

緊張で乾いていた喉を潤すように

一気に流し込んだ。

「俊也さん達も飲んでるみたいです」

「そう」

「気になりますか?」

「ううん」

薫子は、頭を左右に振ったので

急に酔いが回り息遣いが荒くなった。

「薫さん、顔真っ赤ですよ?」

「そう?」

「横になった方が良いですよ?」

「うん、そうする。

 凪斗はタクシー呼ぶ?

 それとも泊まってく?」

「俺は、適当に帰ります」

「ごめんね」

薫子は、上手く立ち上がれなかったので

凪斗に支えてもらい、ベットで横になった。

猫もお腹の辺りで丸くなり、喉を鳴らした。

それが心地良くて、薫子は目を閉じた。