「宮崎さん、先に講義室行ってよっか」
「大丈夫かな」
三限は学部全員の学生が同じ講義を受ける。本人もあんな言ってたし、問題ないだろう。
宮崎さんとは講義室で別れることになる。宮崎さんには、他に仲の良い学生がいて、メガネをかけたせかせか忙しそうな女の人とよく一緒にいる。どうやら、同じ紅茶愛好会のメンバーらしかった。
高井君の誘い? により偶然近づいた宮崎さんと、積極的に親しくなりたい! とまでは思わない。でも、もしかすると高井君が好きかもしれない宮崎さんは、多分普通に良い人だ。
荷物をまとめ、中庭を離れる。目指すは午前中もいた五号館。
隣を歩く宮崎さんの桃の香りが、淡く微かに届く。
