どうぞこちらを気にせず、いってもらって。
宮崎さんに対してそういう好意があるか、尋ねていいのだろうか。曖昧に隠したくて、敢えて伏せてる?
いや、高井君は、実は好きでさーってあっさり打ち明けそうだよな。
「仁志君は……?」
宮崎さんに振られ、会話に加わる。何の害も無い、ほのぼのした空間。宮崎さんが増えた空気が、新鮮だった。
ブーッブーッブーッ。斜め右からバイブが三度耳に入る、早い動作でジーンズのポケットに手を突っ込んだ高井君が目を開いた。
「Tレストランだ! バイトの件かも先に戻ってて」
高井君は先日、Tレストランの接客アルバイトの面接を受けた。一週間も経たない連絡である。
早口な高井君が、スマホに耳を当て立ち上がる。見えぬ相手にペコペコを頭を下げる高井君は、バッグを片手に前方へ歩いて行った。
