紺桔梗の転調





 毎回、曜汰と高ちゃんはセットで、高ちゃんを省いた曜汰に声をかける機会はそんなになかった。今は高ちゃんがいない、自然に訪れたチャンスかも。

 悪意なんてあるわけない、でも、思いっきり下心がある。だって中高共に、曜汰とプライベートで二人の状況、ないもん……やばいな。

 淡い妄想を膨らまし、口元が緩みそうだけど。気軽風にどこかに誘って、断られた私は、絶対に落ち込むだろう。用事とかね。理由があるにしても、断られた“事実”に凹む。

 どうしよう。曜汰と一緒にTレストラン、行きたいな。一緒に、行かない?

「……曜汰……は、N街来て、Tレストラン行った?」

「一昨日、夜ご飯食べに行った。歩ける距離にあるって便利」