そっと後ろを振り向く。 でも、誰もいない。 襖があるだけ。 「な…によ、居ないじゃない。」 「居るわ。ちゃんと、あなたの目の前に。ただ、見えないだけ。」 誰もいないはずの襖。 そこから、女の人の声がする。 「どうゆう意味?」 「アタシは、襖の内側の世界に居るの。あなたは、外側の世界。だから見えない。」 ますます訳が分からない。 「この中に、あなたが…?」 「そうよ。けれど、ただ、開けただけじゃ会えない。」 「え…」 それは、どういう意味? 「ねぇ、外側のあなた、名前はなんていうの?」