私は‪‪✕‬‪✕‬を知らないⅢ【毎週水曜更新中】

「おっ、そうそう。サツキおめーはどうすんだァ?」


「僕は、」


「皐月・・・」


そう、だ。


愛ちゃんを取り返しに来たのなら皐月くんだって・・・。


「・・・ご主人様のところに居る」


皐月くんはあたし達とましろちゃんを交互に見た後、レンさんの方を真っ直ぐに見つめて静かに答えた。


「そうか!悪いけどサツキの事も頼むわ!」


い、いいんだ!?


やっぱりこの人あっさりし過ぎじゃないかな!?


「・・・弟のこと、お願い」


「・・・」


きっとあたしに投げられた言葉じゃない。


それでもイツキさんに向かって首を振った。


二人は兄弟だもんね、家族なら一緒に居るべきなんだろうけど当人同士にしか分からない事情だってあるはず。





「こいつのこと、"預けとく"から飯ぐらいは気に掛けてやってくれな」


ましろちゃんの髪を掬ってそう零すレンさん。


声だったり扱い方はとても優しそうに見える。


でも、


「"預けとく"、って・・・。ましろんは物じゃねーよっ」


「・・・奏」


「んー?こいつは俺のだよ?正真正銘、俺様のも・の」


艶やかな黒髪にそっと口付けをする仕草はとても自然で。


ましろちゃんの髪の毛に触れる事は過去に何度もあったんだって、そう見せつけるような。


視線が、


声が、





「なんとなく予想はつくけど、勘違いだけはいけねーな」





これまでに見たどんな姿よりも怖いと思ってしまう。