私は‪‪✕‬‪✕‬を知らないⅢ【毎週水曜更新中】

「ちひろさんもいい性格してるよねー」


な、んで・・・?


聞こえてきた声に咄嗟に腕を引っ込める。


なんであの女の人が家に居るの?


思い出すのはあの家で怒られる記憶やお腹などに残る痛み。


お母様のお友達だからお呼ばれしたのかな。


でもね、お母様。


その人、痛い事いっぱいしてくるの。


やめてって言ってもやめてくれないの。


だからその人がわたし達の家に居るのは凄く嫌・・・。


でもお母様はその人達にしか頼れないから仕方ないよね。


(早く寝よう)


トイレに行くのは止めて布団に戻ろうと扉に背を向けた瞬間だった。





「体中傷だらけなの知ってるくせに知らないふりしてさぁ。健気なあの子に流石に涙が止まらないわよ」





今、なんていったの・・・?


お母様は知ってる・・・?


「そうやって自分なしじゃ生きられないように仕向けてるんでしょ?そんな無害そうな顔をしてやってる事この西の中でもずば抜けてイカレてるわよ」


ねぇ、お母様。


なんで黙ってるの?


ちがう、って言ってよ。


そんなこと無いって、言って─────ッ、


「うるさいですよ。貴女方にとやかく言われる筋合いはありません」


わたしの期待はあっけなく打ち砕かれた。


お母様はいつも困ったように、申し訳ないように、接してた。


こんな話し方するお母様、知らない。