私は‪‪✕‬‪✕‬を知らないⅢ【毎週水曜更新中】









規則的な機械音を耳にしながら重たい瞼を上げる。


(病室か、ここ)


何度か見た事のある天井で現在の居場所はすぐに分かった。


身体を動かす度に痛みが走るため視線を動かし現状を掴む。


服で隠れていない箇所はどこも包帯が巻かれ、頬にだってガーゼか何かで手当されている。極めつけに左側の髪が最後に見た長さと異なっている。


その全てで察する。


認めたくないが、文化祭でやらかしてしまった事は現実なのだ。


リミッターが外れて暴れた。


皆に汚い言葉も吐いた。


優里を傷つけた。


汚い自分を、


見られてしまった。


次々に思い出される行いに、痛みなど気にせず腕を目頭に押し当てる。


「大した時間稼ぎにもならなかったな」


西について詳しいのはノラだから、そう思わせるために動いた夏。


あんなところ見られちゃ、それだけじゃないって言ってるようなものじゃないか。


そもそも会話を聞かれていたんだから意味なかったか。





「もう、皆に会えねーなぁ・・・」





もともとそのつもりだったのに。


時期が早まっただけだというのに。


目の縁が無性に熱くなり必死に目を瞑った。