私は‪‪✕‬‪✕‬を知らないⅢ【毎週水曜更新中】

文化祭が終わってからずっとこんな様子だ。


煙草だって優里ちゃんやましろに会う時には匂いが移らないよう控えてたのに、今日だけで何箱吸ってる?


輝久さんを病院に連れて行った後の暴れ具合と重なって、痛々しくて仕方がない。


朔夜は感情を表立って出すタイプではないから、こういった場面でしか感情をぶつける事ができないんだろうか。


「ん?」


LIME・・・って、優里ちゃんから?


通知を知らせるバイブレーションに気付きスマホを取り出せば、優里ちゃんからだけではなく文や奏、昴までもからメッセージが送られてきていた。


学校で何かあったのか?でも緊急事態なら電話してくるはずだよな。


不思議に思いその内の一つをタップして内容を確認すれば、目を見開くと同時に口元がにやけてしまうのが自分でも分かった。


「朔夜ー、LIMEみたか?」


「・・・」


「・・・ましろに面会できるって」


「っ」


おっ、止まった。


ましろという言葉に反応して先程まで掴んでいた男の胸元を即座に離してこちらに顔を向ける朔夜。


返り血も相まってサスペンスホラー映画みたいだ。


「明後日皆で行こうって薺さんが誘ってくれたんだって。こんな姿で会いに行く訳にもいかないし、これ以降は大人しくしていよう」


文化祭の時よりも傷を作ってちゃ世話ないしな。


「・・・ああ」





おやまぁ、これ程効果があるとは。


また何かあればましろの名前をお借りしようかな。


───ああ、そうだ。


君には感謝してもしきれない恩があるんだ。


だから、


勝手に離れて行こうだなんて、


そんな悲しい事はしないでくれ。