偽りの恋



悲鳴を聞きつけ踵を返す俺──


坂谷絢斗(サカタニケント)。


「嫌だと言ってるみたいなんで


うちで一旦ひきとらせていただきますね──」


文句。


初めて声に出したな。


褒めてやる。


これから甘い声を奏でさせてくれ。


気は早い気がするが。


俺としては終焉した。


新たな少女との生け取り生活──


初めて声を出したのだから


あまり声を出したくないのかもしれない。


そのことに気を配り、


頭を撫でつけ、


「欲しいものどれか選べ」


『愛』『食べ物』


のカードが書かれているのだった。


彼女がとったのは『愛』──。



紛れもなく俺からの愛で正しかったことに感極まる。