君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの

午前11時半頃、水筒を持って公園に来ていた。
水筒の中にはコーヒーが入っている

悠真さんがコーヒーにしろって言ったんだ。
今日の俺は、カフェ好き男子の設定。

インスタントコーヒーだけどな。

女の子はカフェ好きだってゆーけど、
果たして本当?

昼ご飯用に、結菜と一緒にコンビニでサンドイッチを買ってきた。
そのとき飲み物を手に取ろうとした結菜に俺は言った
「あの、コーヒー持ってきたんだ」

引かれるかって思ってたんだけど、結菜は笑って
「すごい凪くん! 気が利くんだね!」
え、めちゃめちゃ高評価?

そしていま、こうして公園のベンチにふたり並んで座っている。

昨日のLINEでは、
合コンで話せなかったから話したいです
と結菜が書いてきたから、てっきり結菜のほうから話しかけてくれるかと思ってたんだけど、なんか違う。

俺もしゃべらないけど結菜もしゃべらない。
こんなとき、なにを言えばいいのか、
俺は知らなかった。

手に持ってる水筒を見つめて、意味もなく撫でてみたりして。

顔を上げると、太陽がまぶしすぎたってこともあるし、それに隣に座る結菜の膝がちょうど見えてて目の保養。

触りたい……と思った瞬間
「あの、凪くん」
結菜から呼ばれてドキッとする。

「話したいって言ったけど、あんまり話さないね」
「あ、いや、すみません」

膝を見ていたことに対するものなのか、話さないことに対するものなのか自分でもわからなかったけど、とりあえず謝ってみた。
そして、
「なんていうか、こう、あの、落ち着きすぎるというか、あの、のどかで…癒されます」

意味不明なことをさらに言ってしまったのに
「なるほど、自然体に自然を感じているってことなのね」
と前向きにとらえてくれる

「凪くんって、人見知りとか?」
「え、あ、そう、そうなんだ人見知り」
なんて便利な言葉、人見知り。

それから結菜は
「人見知りの凪くん」
に気をつかってくれたのか
あれこれと話してくれたんだけど

「凪くんって、草原の風みたいだね」

「色素薄そうだし、天使界隈の住人みたい」

などと、聞いたことのないようなセリフを次々に出してきて、答えようがなく曖昧な感じで笑ってうなづいていたんだけど、それさえも

「なんかさ、凪くんってもの静かでいい感じだね!」

と過大評価するんだもんな、びっくりするというか不思議な気持ちになった。

夕方近くになり、少し肌寒さを感じてきた頃、結菜は自分から誘ってきた
「凪くん、このあとどうする?」
え、どうしよう?