君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの

「なんで、カチッと閉まんねーかな!」
俺はひとりでイライラしていた。

同じチームメンバーの、悠真さん主催の合コンに誘われてたんだけど、行く気にならない。
行きたくなかった。

その場のノリに合わせてみたものの、まったくテンションあがってこない。

いま作ってる試作品、電池をいれるときの蓋の閉まり心地に納得がいかない、というのを理由にして、合コンを断ったんだ。

「こだわるととことんだよな」
って悠真さんから言われるような、仕事に対する妥協が無理って設定。

ひとりでこんなのやってたって、本来意味はないんだよな
「はあ、だる…帰ろ」


結果的には凪にとって合コンは成功だったらしい。
気になる子がいたって嬉しそうだ。

あの日、急なキャンセルをした俺のせいで、頭数揃えなきゃってことで、悠真さんが誰かいないかって探してた。

で、俺のそばで樹脂の塊でなんか造って遊んでた凪が呼ばれたんだけど
「えーやだよめんどくさ!」
全部おごってやるからって悠真さんに連れていかれた

凪、いつも「めんどくさ…」ってあれ、口癖なんだろうけど、いったいなにが、めんどくさ、なんだろうな?

それは恋愛にも言えることで、寄ってきた女の子に自分から手を出しといて、結局めんどくさ…でバッサリ切るんだ。

俺は凪の暗黒期を知ってる。
「銀河街の悪夢は永遠のバイブル」
って言ってた凪が
合コン以来、明るめの曲を聴いてるのを見ると、すこし変わりつつあるんだろうかと思う瞬間はある。

人はそんなに簡単に変われない。

でもまあ、ここに入社してからは、真面目に仕事に取り組もうとする姿勢はみえてる。
まだ入ったばっかだし、とりあえず、辞めないでくれればいい。

……いや、俺が勝手にそう思ってるだけだけど。

楽しそうにやっているから見守るだけ。
あれでふらふらバイトやってたら、どうなることか心配でしかない。