桜花転生奇譚

「……俺らも行くか。優月、行きたいとこ……あるか?」

玲さんの言葉に、私は少し考える。

「なら、本屋に行きたいです」

図書室にも、たくさん本はあるけど、本屋には図書室にない本もたくさん売っている。1か月に1回の新刊の発売の日が、私の月に1回の楽しみだ。

発売日以降の非番の日には、かなりの頻度で本屋に行って新刊を見るんだ。

一昨日が新刊の発売日だったことを、今さっき思い出した。

「本屋……ちょうど良かった。俺もちょっと寄りたかったんだよな。行くか」

玲さんは、そう言うと本屋がある方向へと歩き出す。私は玲さんの後を追いかけるように歩き出すと、玲さんの隣に並んだ。

「……玲さん、何か欲しい本とかあるんですか?」

「あるわけじゃないが、読みたいと思えるような本がないか探すだけだな」

「……玲さんも、読書が好きなんですか?」

少し気になって、私は玲さんに聞いてみる。

「好きな方ではあるな……でも、優月やひかりよりかは読まないぞ。1か月か2か月に1冊読むくらいだな……まだ、蒼の方が俺よりも読んでいるかもしれんな。蒼も読書が好きだしな」

意外だ。玲さんも蒼さんも、全然本を読まないイメージがあったから。……失礼だから、言わないけどね。