“見えない”私の永遠の相棒

―すべての音が、耳から抜ける。

静か、木陰、木漏れ日の中、私達二人の世界みたい。



「…ま、目的は私の悔いを探すことだけどね~。」


今の話から、そんなテンションなれないよ?

なんで、今はそんな普通の笑顔なの?

ユキのこと、私…


「知りたいよ。」

「え?」


口から溢れた声は、自分でも疑うほど、弱々しかった。

…なにか、知れるかもしれない。



なんてのは、言い訳だよね。

私は…


「ユキのことが知りたい。」


私、何も知らない。

これじゃあ、なんのために私は一緒にいるの?

なんのためにユキの悔いを探してるの?



私は…なんのために東京来たの?


「…なんもないよ。

ただ…そうね~。」


初めて聞いた声。

いつもの軽い感じじゃないなぁ。



ほら、また初めて。

私何にも知らないなぁ。



ユキが幽霊のこと。

何も覚えてなかったこと。

東京にいたこと。

晴陽高校に通ってたこと。



それしか知らない。



「…ソラ、さっき止めた道行こっか。」

「え…?」


ユキを見れば、少し…手に力が入ってる、気がした。


「私のこと、知りたいんでしょ?」


そう言って歩き出したのは、来た道…じゃない道。


こっちは、陽の光がたくさん当たる、明るい道。



なのに…ユキの表情はどんどん暗くなってく。



怖い…なんでか、怖い。

明るいユキが、静かだから…?



先に進むユキが、消えてしまいそうで不安になった。


「ユキ…!」


反射で手を掴もうとした。


でも、それは叶わなかった。

スカッと、私の手が空を切った。


「ソラ?」


ユキが私の“声”に反応して振り返る。



私はユキを見ることなく、自分の今伸ばした手を見つめる。



「あ…。」