乃々の貸別荘の話





 プールサイドは柵の周りの大きな木のお陰で日陰になっていた。

 乃々がデッキチェアに寝そべると空に入道雲が浮かんでいる。



「女の子とは遊べない。男だと足引っ張ったりできるけど、溺れると困るから。」



 もうひとつのデッキチェアに寝転んで、蒼空が言った。




「乃々、もう泳がないの?」

「疲れたから」

「僕は疲れない。こんな小さなプールじゃ。」

 


 頭の後ろで手を組んだ蒼空が言った。



「楽しいね」



 ちょっとしてから、蒼空は、デッキチェアから降りると、寝そべっている乃々に屈んだ。


 濡れた髪を片手でかき上げると、乃々の額にキスした。