乃々の貸別荘の話






 電気を消した部屋の天井は高いが斜めの勾配になっていた。

 記憶も不思議だが、眠りも不思議だ、と乃々は思っていた。

 眠りに落ちるのを待つ時、いつも今日起きた出来事を思うのも不思議。


 天井を見ながらうとうとしていると、ふいに、外からノックの音がした。




 ────こんな時間にどうしたんだろう。




 起き上がった乃々は、タオルケットを脇に置いて、ストン、とベッドから降りた。

 隣で寝ている母親の横をそっと通り過ぎて、静かにドアを開けると、暗い廊下に、蒼空が立っていた。




「どうしたの?」

「来て」




 蒼空はしー、と口に手をやると歩き出した。