猛攻する犬系後輩に抗えない

部活動は無事に終わり、


ヒーロー化した憂太君に皆の意識が集中。



「希先輩を言い負かすなんて」「よくあんな立場でいられたよな」



飛び交うセリフに混ざったのが、


「亜塚先輩が鏑木の彼女」「憂太君が惚れた先輩」


というワードだった。


部活の時は演奏に集中したがったが、
自然とカップルを装うことで周りに牽制できた計画

 

──、



周りに周波数をあわせるように、憂太君は私の名を大きな声で呼んだ。


「なる!一緒に帰ろ!」



トクン。



胸の音。



「うん!」



と言わずにいられなかった。




講師のようだった。憂太君は。



帰り道ふと手が触れ合う。



「手繋いでいいですか──?」



敬語混じりに容赦なく恋愛用語を足す憂太君。