碧くんと乃々ちゃん





 碧は廊下を抜けて、階段を降りて、また廊下を抜けて、緑の見える中庭まで来ると、ガラス扉を開けて、上履きのまま外に出た。

 中庭の花壇には虹が掛かっていた。
 さっき、雨が上がって、陽が差して来たからだ。


「この間の大雨の時、乃々は見逃しただろ。」


 碧は言いながら乃々を振り返った。


「わあ。」

「綺麗だね。プリズムって言うんだ。虹は7色っていうけど、本当はもっと色んな色があるらしいよ。分光の研究。自由研究に良さそう。」

 乃々が芝地に上履きで突っ立って虹を眺めていると、後ろから、すぐに、碧が袖を引っ張った。


「それだけ。見れて良かったね。乃々は早く蜜柑食べちゃわないと。」


 乃々と碧は掲示物の貼ってある階段をあがって教室へ戻った。