「風呂入るんでしょ?ソコのドアだから」
そう言ってユキは奥に消えていった。
え、ちょっと待って見逃した。
『ソコ』ってどれだろう。
どのドアだろう。
まぁ、どうせどの部屋もぐちゃぐちゃで見られて困るものはないだろうし、適当に探せばバスルームくらい見つかるだろう。
だけどそれはとても浅はかだった。
「え、ぅわッ!」
一番手前の扉を開けると、上から降り注ぐ段ボールたち。
頭上から雪崩れが起きて、私は広い廊下の壁際に追いやられた。
「あーあ。なんでここ開けるかな」
物音と私の小さな悲鳴に駆けつけたユキは、崩れた段ボールの箱をひょいひょい、と部屋に投げ戻していく。
「この部屋、リビングと繋がっててあちらを入口にしてるからここは開かずの扉なの」
知るか、そんなもん!と言いたいところをぐっと我慢して「ごめんなさい」と一言詫びを入れてから、片付けるユキを手伝う。
その中の一つ。
形の崩れた軽い段ボールを持ち上げると、持ち上げた底からバサバサバサ……と中身が落ちてきた。
しまった、仕事を増やしてしまった。
しゃがんで落ちたものを手に取れば、それは全部同じパッケージ。
真っ黒のボクサーパンツ(Sサイズ)。
ビニールがかぶったままの新品が大量にあった。
