余所者-よそもの-

そうだった。
この人の家は、そうなんだった。


玄関から待ち受ける、ピラミッドみたいな靴の山。

その先に続く廊下から、すでに足の踏み場がない。


「片付けが苦手なんだ」


そうボヤキながら、下に落ちてるものを踏んづけて中に入っていく。

私は小さく決心をして、なるべく瑞生の歩いたところを選んで廊下を進んだ。


広い廊下を渡りきるまでに、ドアが五つもある。

……どれだけ広いんだろう。


「え、一人暮らしですよね?」

「そうだよ」

「部屋広すぎません?」

「なんかいつもすぐに散らかるから」

「………」


この人わかってないのかな。

空間があればあるほど、モノは際限なく増えるんだろうに。