余所者-よそもの-



「サンコン、話はついてるんだ」

「いいえッいいえ……!いけません、こんな」


何がなんだか解らない。

ただハラハラと状況を伺うしかできない私に、ホストがぽかんと問いかける。


「お前…紫藤の女か?」


私が紫藤怜の女?
そんなバカな。

だって紫藤怜は今日さっき出会ったばかりだ。


「彼女、余所者だよ」

「なんだって?」

「紫藤が俺との待ち合わせの道中に拾ったらしい」


まただ。
また『余所者』。


瑞生の口には煙草が加えられていて、まるで『俺が知っているのはここまで』と言うようにカチ、とライターの音を響かせた。


もう、いい加減にしてほしい。

余所者ってなに。
紫藤怜はなに。

排他的なこの街は一体なに。